お前さ、会社に来て金をもらえると思ったら大間違いだぞ。
こんばんは。
変なタイトルですがこれは私に以前の上司の私に対する口癖です。
私は以前とある会社のとある部署の副責任者として職務を遂行しておりました。
副責任者と言ってもほとんど名前だけの状態ですし経営会議に出席すれば私が
一番若く会議に出席してる社員の中で年齢が最も近い社員でも10歳くらい年齢が
離れており最初の方は「なんでお前が来てるんだ?」という空気が会議中はあり
自分でも「なんで私がこんな会議に出席しないといけないんだ?」と思ってました。
そもそもなんで私が副責任者だったのか?
他の社員から比べても仕事が出来るわけでもなく会社にものすごく貢献してるわけ
でもなかった。どちらかと言えば使えない人間だった。(後ほど部署の責任者から
言われました。)だけど、周りの社員との唯一の違いは就業時間より30分前に会社
に来て他の社員が業務に必要なものを用意したり、テーブルを掃除したり誰でも
出来る雑用を毎回していた。毎回してるのでそれが何度も責任者の目に留まり
「あれも頼む」「これも頼む」などいろいろな雑用を就業時間30分前に任される
ようになったが少しづつ業務も任されるようになり気付けば副責任者となっていた。
副責任者の責任。
責任者はその部署の全責任があるので作業はほとんどせず座ってパソコンを見てる
ことが多く、何か問題が発生したときのみ「よっこらせ」と言いながら重い腰を
上げる。基本的には副責任者である私が部署の指揮を執らせてもらっていた。
だけど中には年上の部下もいて「調子に乗ってんじゃねーぞ」みたいなオーラを
感じるときもあり年下の部下はソフトな扱いをすると上司に接する態度ではなく
友達に接するような態度で接してくる。そして「仕事始めるよ」と言っても「えー、
もう?」と言われる。そこで「えーじゃなくて始めるぞ!!」と強く言うと
部下の態度が変わり業務以外のことは無視されるようになる。それを責任者に相談
すると「部下に嫌われる上司でいいんだよ。それだと緊張感が常にあり部下も言うこ
とを聞いてくれる」とあっさり。その日から私の激怒する日が続きました。
激怒する日。
激怒と言っても本当に激怒するのはほとんどない。だいたいは激怒してるフリを
する。そうすえば部下は言う事を聞いてくれる。本当に激怒してたときは私は机や
イスを蹴っ飛ばす。責任者からは「会社のものを壊さないようにね」とだけ言われた
ました。すると思った以上に部下は言う事を聞いてくれ、売り上げも上がっていく
ことが続いていった。
てんぐになった瞬間から全てが崩れる。
副責任者ということもあり収入面では予想以上だった。提案1つで会社の売り上げを
あげたりすることもあったので歩合が収入の半分以上占めていた。わかりづらいので
総支給を働いた時間で割る。つまり時給換算すると他の社員の2倍ちょいくらいは
あった。もちろん普通の生活をする上では生活に困ることはなかったし業務が終了し
たら女性社員複数を連れて朝までオールを毎週しても手元にはそれなりに残ってた。
だけど気付くと「稼げて当たり前」という考えになっており業務もただの流れ作業の
ようになっていた。当然責任者から「なにしてんの!?」と怒りの言葉が降り注ぐ。
そして
「お前さ、会社に来て金をもらえると思ったら大間違いだぞ。」
と口癖のように言われる。
そう言われても私の「稼げて当たり前」という考えは全く消えなかった。そう私は
鼻の高いてんぐになっていたのです。今考えると「なにしてんの!?」と思える。
だけどてんぐになってからは今までの成果が夢だったように音をたてて崩れて
いった。
辞めてやるよ!!
そして成果が崩れても「稼げて当たり前」の考えは消えなかった。自分の部署の責任
者どころか他の部署からもブーイングが来た。社長からも来た。私はもう頭に来たの
で「こんなところ辞めてやるよ!!」と心では思っていましたが表情には出さず、
反省したフリをして退職届けを出し退職した。当然反省などする気は”0”であった。
全て自分が悪かった。
今思うと完全なてんぐだった。だけど誰かにてんぐにされたわけでもないし、全て
自分で招き入れたことだ。残ったのはこれと言って何もない。そこで初めててんぐ
になってたことに気付いた。
感謝すべきだった。
「お前さ、会社に来て金をもらえると思ったら大間違いだぞ。」と言われ続けてたが
確かにそうだ。会社に行って売り上げを上げて、初めてお金が発生するとい考えだっ
たら当時の私はもう少しマシだっただろう。そういえば責任者が当時言ってたことが
「お前の立場なら周りに感謝しろ」だ。今考えるとまさにそうだと思う。だけどその
ときから数年経った今ではその会社や責任者には感謝してる。
長々と読んでいただきありがとうございました。明日も良い1日でありますように!